坂本一成 建築展に行ってきた

「日常の詩学」と題した展覧会は、住宅作品を中心にすべて正面から取られたファサードや室内の大判写真に囲まれていた。大きい写真は天地4m。写真の前に立つと本物の建物の前に立っているかのような錯覚に陥る。オープニングの挨拶で同世代で友人の建築家、伊東豊雄さんは「やさしさ」と言っていたが、近代以降の建築家のような論理主義や形式主義ではなく、たとえば住宅のファサードをつくる屋根、窓など開口部、庇換気などが、身体のスケールの延長上にあり、かつありのままに(建築家が関わったデザインの気配を感じさせず)配列されているからだろう。観覧者はひとつひとつの原寸大(と思わせるような)写真の前で、そのことをほとんど無意識のうちに味わう。あるいは幾何学や形の生成論理などといった現代建築の常套句を用いない、もっと記憶の彼方にあるような住宅の祖型を感じとる、といったら伝わるだろうか。建築の展覧会なのだが、なぜか身体が解放されて癒される。それが坂本さんのいうところの「詩学」なのだろうか。
ほか展示物は模型と図面。最新作(計画中)の、東京工業大学Tokyo Tech Front(仮称)、宇土市立網津小学校まで。
(東京工業大学百年記念館にて開催、10/21まで、)

  • 坂本一成建築展
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