We Shape a better world クリス・ルーブカーマンの講演

Arup Foresight Eveningと題した催しに行ってきた。これは建築関係では言わずと知れた国際的な総合エンジニアリング・コンサルティング会社、Arup(アラップ)社がクライアントやジャーナリストなどを招いたミーティングで、今回は同社の研究開発・調査グループを率いるルーブカーマン博士のプレゼンテーションがあった。略歴に構造設計、建築と並んで地質学を修めたとあるとおり、レクチャーでは地球規模での都市や社会生活を調査した結果を、さまざまな視点から問題点としてピックアップしヴィジュアル化し、そのための解決を戦略的に取り組む研究の一端を紹介した。日本での建築や技術的なコンサルティング、エンジニアリング集団アラップとしてのイメージよりも、シンクタンクとしての活動や研究といったらよいだろうか。スライドにもあったアル・ゴアのごとく地球的な規模で、一般人に啓蒙を行おうとするやさしくわかりやすいが、警句にあふれた語り口であった。同じくアラップ社で活躍したピーター・ライス氏の幅広い視野や語り口を思い出した。とはいえ、盛りだくさんの内容、メモをとる暇もないほど。
幸い、レクチャーの後に美しいカードセットをいただいた。"Diverse of Change"はそのプログラムで、都市化、人口、水、気候変化、浪費、エネルギーといった6つのテーマからなる。それぞれのテーマにおいて社会、技術、経済、環境、政治といった切り口で、収集された豊富なデータに基づいて分析がなされる。カードの表には、たとえば浪費|政治のカードでは「who gets your trash?」のコピーと電子製品のゴミにまみれアジア系幼児の写真が、裏面には中国を中心に世界中からの電子廃棄物が流れ込む東南アジアの地図が、分析とともに示されている、というようなものである。
Divers of Change:
http://www.arup.com/arup/landing.cfm?pageid=8870
どうしてもこの業界は建設、開発のベクトルを強化しがちだが、その最先端を担う集団が、このような広い見識に基づいた戦略を示し続けるのは重要なことである。アラップジャパンさんのこのような機会創設に感謝。また、ときどきやってくださいませ。(上で触れたカードは、残念ながら英文のみなので、まだすべて眼を通すところまでいっていないが、アラップジャパンの皆様、翻訳出版をぜひお願いしたいところです)
アラップ・ジャパン:
http://www.arup.com/japan

  • Divers of Change
    Divers of Change