今日のテクノロジーの発達により、私たちの日常にはコンピュータや、ビデオなど多くのメディアが存在し、仕事や生活の中で欠かせない存在になっています。 KOSUGI+ANDOは、そうしたテクノロジーや芸術表現に取り込み、観客が作品に関わることで成立するインタラクティヴ(相互に作用する)作品で注目され続けてきたアーティスト・ユニットです。
KOSUGI+ANDOの一見無機質で洗練された表面性の奥には、人間という存在に対する深い探求心が存在します。作品のテーマとして多用される、「呼吸」あるいは「記憶」。そのどちらも、生きるために不可欠なものであり、自身ではコントロール不能な永遠の謎です。呼吸によって生命を維持し、過去の記憶の積み重ねの中で生きていく私たちの不思議。それはテクノロジーによって正確にコントロールされる世界とは全く異なるものです。しかし、現代の中に深く浸透するテクノロジー、メディアは明らかに私たちの内面に大きな影響を与えています。そうした関係性を読み解こうとするKOSUGI+ANDOの作品は、テクノロジーと芸術の間を行ったり来たりする「振り子」のような存在といえるでしょう。
本展では、記憶、夢、生命の循環をテーマとした代表作をもとに、ACACの特異な空間の中で新たな作品として再生させる試みを行います。ACACを取り巻く森に人々の夢や思いが漂い集まり、静かに降り積もるように眠る。森の精霊たちが呼吸する。そうしたイメージの中を漂いながらKOSUGI+ANDOの作品を体感し、人間の中に深く宿る生命の有り様と向き合う時間を過ごすことができるでしょう。