小林康夫著『表象の光学』(未來社)の刊行記念イベント。著者と写真家・宮本隆司のトークセッション。小林が、スライド上映された宮本の作品に批評を加え、表象装置と主体の場処についての問題を掘り下げてゆく。要予約。
『表象の光学』(小林康夫著/未來社)刊行記念トークセッション
小林康夫×宮本隆司
「光・廃墟・主体──表象装置をめぐって」
日時:2003年8月2日(土)19:00~21:00
会場:青山ブックセンター本店(渋谷区神宮前)カルチャーサロン青山
◎定員140名様。
◎要電話予約(03-5485-5511:青山ブックセンター本店、10:00~22:00)
◎入場料500円。
デカルトからブルトンまで、西欧近代の表象の文化史を駆け抜けていく本書『表象の光学』に、宮本隆司という本邦の写真家の名前を添えてみる。繁栄が約束する華麗な未来都市像を夢想していたバブル前夜のこの国において、廃墟を撮ることから出発した写真家は、近年は、ホームレスの段ボールハウスの継続的撮影から着想を得た、〈ピンホールの家〉のシリーズを手掛けている。〈光学〉的原理の粋とも言えるピンホール・カメラに仕立てられた段ボールハウスの壁面には、街の姿が逆像として、鮮烈な青と主体の漆黒とのあいだに、定着する。廃墟からカメラ・オブスキュラに至るまで、その一連の試行のうちに刻まれる、光、函、亀裂、身体、都市、影、主体……その透視法とは何か。小林康夫×宮本隆司「光・廃墟・主体/表象装置をめぐって」──『表象の光学』の書かれざる1章。乞うご期待。
小林康夫(こばやし・やすお)
1950年、東京都生まれ。東京大学教授。表象文化論、哲学、フランス文学。
著書に、『不可能なものへの権利』『無の透視法』『起源と根源』『大学は緑の眼をもつ』『光のオペラ』『身体と空間』ほか。編著書に、『知の技法』『知の論理』『知のモラル』『文学の言語行為論』ほか。訳書に、『ミシェル・フーコー思考集成』(共編訳)、リオタール『ポスト・モダンの条件』、デュラス『緑の眼』、リオタール『インファンス読解』(共訳)、デリダ『名前を救う』(小社より近刊)ほか。
宮本隆司(みやもと・りゅうじ)
1947年、東京都生まれ。写真家。京都造形芸術大学教授。
89年、『建築の黙示録』『九龍城砦』で第14回木村伊兵衛写真賞受賞。96年、「震災の亀裂」日本パヴィリオン展示で第6回ヴェネツィア・ビエンナーレ建築展金獅子賞受賞。1999年、「AIR展」で第11回写真の会受賞。2002年、「ドクメンタ」出品。主な写真集に『建築の黙示録』『九龍城砦』『Angkor』『KOBE 1995 After the Earthquake』『Cardboard Houses』など。編著に『現代写真のリアリティ』(共編著)。
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『表象の光学』
小林康夫=著
未來社 A5判・318頁・本体2800円 ISBN4-624-01164-3
デカルトからベラスケス、マネ、マラルメを通過して、デュシャン、ブルトン、リルケ、ツェラン、ブランショ、デュラスへ。〈光学〉をキーワードに、西欧近代における哲学、文学、音楽、美術等の諸領域を横断的に貫こうとする表象文化論的思考装置が凝縮された思考を展開する。ハイデガーやフーコーの哲学をテコに目眩く思考と文体の運動を鮮やかに刻印し、表象文化論の起源と可能性を存分に論じきった著者の知的彷徨の所産。